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たばこの本棚

本との出会い
11 /08 2008
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また、1冊、面白い本を見つけた。久しぶりの讀書感想文シリーズである。短篇やエッセイ集は氣輕にいつでも讀み始め、讀み終へることが出來るのでお氣に入りのカテゴリー・・・特にオムニバス形式は多彩な顏ぶれで、これまた飽きさせない。

ところで煙草であるが、昨年の緊急入院以來、自身はふつつりとやめてゐたのであるが、この本を讀んでまた喫ひたくなつたのは困りもの(^^;

それにしても一日に罐ピースを一罐開けてしまふヘヴィスモーカーのお方にはかなはない。せいぜい日に數本…一箱20本入りのケントで4~5日は持つのだから、煙草呑みとはいへないかな?
煙草は所詮口脣期を脱してゐない幼兒性の惡習慣の最たるものであるが、古來から大人の嗜好品として容認されてきた。最近何かと話題のタ★マと比べても害が少ないとは決していえないにもかかわらず、国策として奨励された歴史を持つ煙草に翻弄されてきた愛すべき大人たちの物語り…この本を讀むと、アイディアの源泉といつては喫ひ、気分転換といつては喫ひ、悲しいといつては喫ひ、楽しいといつては喫ひ、手持ち無沙汰といつては喫ひ、大量の煙草をスパスパと煙にしてきた文士たちの如何に多いことか!
偉大な文學も高邁なる思想も煙草なしでは生まれなかつたとの反論もおありでせうが、デメリットと比べるとどんなもんでせうか?
本人の健康を損なふのはもちろん、副流煙による周圍の人々への害、はたまた火災の原因等、私がここで拙論を展開するまでもなく、代償は大きい。

それはそれとしてこの本は拔群に面白いので一讀をオススメする。
「煙草は動くアクセサリー」、「今日も元気だ。煙草がうまい。」…たがが煙草、されど煙草…煙草にまつわる悲喜こもごもの風景…煙草を喫ふ事が容認されてゐた時代を懐かしむもよし、煙草と格闘するドンキホーテ的英雄たちのモノローグに快哉を叫ぶのもよし!

なになに、ところでこの本は1979年刊行(銅社)「たばこの本棚 5つの短編と20の隨想」の文庫化再版だつて?アレッ、20の隨想?一つ減つてゐる!
どうやら星 新一の分が拔け落ちてゐるやうだが、版權の問題かな?
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空のオカリナ

地球の美しさと神秘を感じ取れる人は、科学者であろうとなかろうと、人生に飽きて疲れたり、孤独に苛まれることは決してないでしょう。  (レイチェル・カーソン)

最近は當地の自然豐かな環境に目覺め、もつぱら野の花や、オホハクテウなどの野鳥の撮影に明け暮れる每日・・・歲のせゐかな?
それにしてもデジカメで、プロ顏負けの畫像が簡單に撮れ、卽日ブログで發信できるなんて…まるで繪日記感覺・・・時代の恩惠に感謝!

他にも小學生のころ、父親に作つてもらつた木製骨組み紙張り(ゐはゆるstick&tissue)のフライヽング・スケールモデルに魅せられてからはや、幾星霜・・・紙飛行機からR/Cまで、幅廣くやつてます。